建築勉強会のお知らせ
11月19日(土曜日)に約3年振りの建築勉強会を開催します。
テーマは「伊勢神宮」です。
今年の7月、目黒区の生涯学習講座めぐろシティカレッジさんの「日本の古層」をテーマとした講座シリーズで、”式年遷宮~現代に繋がる古代建築の意味~”と題した講義を岩田が担当しました。今回の勉強会では、その内容をブラッシュアップし、伊勢神宮における式年遷宮を入り口として、日本と世界の建築文化を横断したお話をしたいと思います。
ご参加にあたって特別な専門知識は必要ありません。私たちが一般的に手に入れることのできる情報や、当たり前の事柄を紡ぎ合わせながら、新鮮な建築的視点にたどり着くことを目指します。そして建築というジャンルの面白さや懐の深さを感じていただければ嬉しく思います。
若干名ですが、まだお席に余裕があります。勉強会に参加をご希望の方は以下メールアドレスまでご連絡ください。追って詳細をご返信いたします。
mail@atsushiiwata.com
※ スパム防止のためメールアドレスはリンクを外してあります。コピーペーストでご利用ください。
以下、今回の概要です。
岩田厚建築設計事務所 建築勉強会
建築逢紡 第18回「伊勢神宮」
日時:2022年11月19日(土曜日)18:30〜21:30
場所:岩田厚建築設計事務所 〒113-0031 東京都文京区根津2-19-3
定員:先着15名
伊勢神宮が日本で最もよく知られる神社のひとつであることはご存知だと思います。その伊勢神宮には内宮と外宮とがあり、内宮では天照大御神(アマテラスオオミカミ)、外宮では豊受大御神(トヨウケノオオミカミ)が主祭神として祀られています。天照大御神は皇祖神とされている神様です。
式年遷宮の「式年」とは定められた年を、「遷宮」とは宮を遷すことを意味します。伊勢神宮のホームページに詳しくありますが、式年遷宮とは「定められた年ごとに神様に新しいお宮にお遷りいただく」お祭りのことです。式年遷宮は伊勢神宮に限らず多くの神社でも行われていますが、やはり伊勢の祭りの規模が最も大きく、20年ごとに内宮・外宮の正殿をはじめとして、14の別宮、宝殿外幣殿、鳥居など65の殿舎、714種1576点の御装束神宝の全てが新しく造りかえられます。伊勢の遷宮は持統天皇期の690年に内宮で初めて行われ、戦国時代に120年ほど中断されたことを除けば、1300年にわたり現代まで繰り返されてきました。近年では2013年に第62回式年遷宮が行われています。伊勢神宮の建築が古式を守り、日本古来の建築様式を今に伝えると言われる所以です。
ところが伊勢の式年遷宮に関わる重要な祭祀の全ては秘儀とされ、「なぜ式年遷宮を行うのか。」というその意義について、私たちははっきりとしたことを知ることができません。”唯一神明造り”(ゆいいつしんめいづくり)と呼ばれ、”千木”(ちぎ)、”鰹木”(かつおぎ)、”棟持ち柱”(むなもちばしら)などに代表される伊勢神宮特有の建築造形の由来も、様々な研究がなされてきましたが未だ解明には至っていません。正殿の下に据えられる”心御柱”(しんのみはしら)に関しても”神聖なものである”ということ以上は何も明かされていません。そもそも天照大御神がどのような出自の神なのかということについても様々な説がある状況です。
つまり私達は、実在する伊勢神宮とそこで行われる祭祀を目の当たりにしながら、その実、核心に触れようとするとわからないことばかりなんですね。
伊勢神宮が日本にとって非常に大切な文化であることは間違いありません。一方、現在の伊勢の祭祀の多くが明治期の国家神道下において体系化されたものであるということも忘れてはならない事実です。
それでは、現代的かつ建築的な視点を持って、伊勢神宮をどのように考察することができるのでしょうか。実は、わからないことをわからないまま捉えていくことによって、より深く理解できる現実があるのではないかと考えます。
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18:00~ :事務所開けます
18:30〜19:30:「伊勢神宮」前半
19:30~19:45:休憩
19:45~20:45:「伊勢神宮」後半
20:45~21:30:歓談(自由解散です)
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※ 18:00から事務所を開けます、開始10分前にはお越しください。
※ コロナ感染対策のため、マスクの着用、手指のアルコール消毒をお願いします。
※ 飲食自由です。晩御飯等お持ちください。(会話はマスク着用の上でお願いします。)
※ 特に参加料などありませんが、当日お気持ちをカンパいただけると大変助かります。