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UR団地再生デザインコンペの提出案です。現実的かつ厳しい条件の中、築46年、5階建、3K-46m²x10戸の団地住棟をリノベーションするというテーマが課されました。そして状況を把握し、提案を作成するにあたって、以下の3点をコンセプトとして考えました。

1. URが全国に抱える76万戸の団地ストックのケースモデルとなる広い可能性を持つデザイン

2. 現代における46m²とは?

3. 既存空間の最適化

現在の生活スタイルに照らし合わせると、46m²という床面積は家族暮らしに十分なスペースとは言えません。また設定された8万円の家賃を考慮すると、収入400万円前後の若い夫婦が今回のターゲット層として見えてきます。狭くて暗いイメージのある団地空間ですが、本物件での採光条件はとても良く、自然光に満たされた豊かな居住空間にリノベートすることは可能だと考えました。そこで「内と外を結ぶ流れる空間」を意識し、限られたスペースを最大限活用することを目指しました。

屋外テラスを導入することで外と内の連続的なつながりを作り、また各居室からの表情がそれぞれ特別なものになるように配慮しました。このテラスは同時に水まわりや換気設備の制約の技術的な解決法ともなっています。外観においては、腰窓が取り除かれスクエアにカットされた開口部が強い個性となり、緩やかな丘を連続させた動的な外構デザインへと続きます。

他の団地リノベーションにも対応できる将来性豊かな提案となりました。

 

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長澤剣太郎氏との共同制作です。

 

(2012 3月)