京都駅
京都駅。
あまりにも大きく要素や用途も多いので、断片的な空間体験の集合体として全体が構成されるような建物です。
そのため、ひとつの建築として統一された印象や整理された感想を持つことがなかなか難しい建物でもあります。
レム・コールハースの言う「ビッグネス」とはまさにこの事です。
しかしながら、暴力的だとすら思える全体のスケールの一方で、京都駅の空間体験には質感豊かなものも多く含まれます。
そして少なくとも新宿駅や渋谷駅、東京駅には無い、利用者を迎え入れるおおらかな内部空間がしっかりと存在します。
そのため電車の乗り降りや人混みの煩わしさに勝る、ちょっとした特別感が駅を利用する際にあるようにも思います。
また複雑なプログラムに対し、非常に明快で効率的な動線計画がなされているということも訪れる毎に理解できるようになってきました。
京都駅はどちらかと言うとヨーロッパの主要駅のデザイン手法に近い気がします。
訪れたのはもう10年も前ですが、ベルリンの中央駅も同じ種類の空間的な豊かさを持っていました。