東京
あ、いいな。
工事現場では、そう思う瞬間があります。
構造材に当たる光、仮設足場や脚立の姿、舞い上がる埃。
何気なく見過ごしてしまえばそれまでですが、実は美しい瞬間がたくさん隠れています。
現場は刻々と表情を変えていくもので、今日の姿は明日にはもうありません。
そこに刹那的な魅力を感じます。
そして意図の無い造形美を発見することもあります。
東京。
言葉は悪いですが醜い街だと思います。
ただ、一瞬の断片で街が美しいと思えることもあると気付きました。
それはヨーロッパや京都のような、わかりやすい美しさではなく。
ある「間」のようなもので、10歩も歩けば、1分も経てば、消えてしまうものだと感じています。
実は今年の春先に、美術家である友人の個展を見に行ったことがきっかけで、この視点を持つようになりました。
そして少し違った角度から街を見るようになりました。
東京で建築を設計するとはどういうことなんだろう。
ずっと考えてきました。
まだはっきりとした答えは見つかりませんが、ここに大きなヒントがある気がしています。
それでは。