まっすぐ
ちょうど10年前の今頃。
建築を勉強し始めて2年目。
イギリス・スコットランドのグラスゴー美術大学マッキントシュ建築学校 -Glasgow School of Art, Mackintosh School of Architecture- 在籍時に作ったコラージュです。
街外れに小さな鉄道駅舎を計画するという課題でした。
まだ建築の合理性や施工性、素材特性などを深く考えることができなかった頃の作品です。
ただそれだけに、
「こんな造形がしてみたい。」
「こんな空間を作ってみたい。」
というまっすぐな気持ちが全面に出ている気がします。
この提案は非常にシンプルなところで、街と建築と空間の関係を模索しようと試みました。
まあ、そして、流行りのグニャグニャしたやつを一度やってみたかったんですね。
ミーハーですから。
まだ手描きで図面を引いていたので、何度も何度も曲線を描き直したことを覚えています。
自分で言うのもなんですが、とても純粋にデザインを楽しんでいたんだと感じます。
もちろんあの頃は毎日必死で、自分の状況を客観的に見る余裕などありませんでしたが。
一方で経験を積んできた現在、頭だけで設計してしまうことがある気がします。
「これはお金がかかるな。」
「構造が厳しいかも。」
「法規が危ないかな。」
など。
知らず知らずのうちに消去法でデザインを進めていることがあり、これは気をつけないといけないと思っています。
枠組みを知ることは大切ですが、そこに縛られる必要は無いはずなので。
あれから10年。
当時の作品を振り返ると、気持ちでデザインすることの大切さに改めて気付かされます。
そして気持ちだけでも頭だけでもダメだとわかった今ならば、さらに上を行く建築がデザインできると信じています。
ちなみに、このプロジェクトを最後に僕はロンドンのAAスクール -Architectural Association School of Architecture- に移ることとなりました。
その理由についてはまた改めて書きますね。
それでは。