積み重ね
引き続き両親の家の記録をとっています。
公団の家ということもあるかもしれませんが、当時のデザインは気取った感じが無く、とても素直な印象を受けます。
例えば、まるで耳たぶのような窓のクレセント錠。
とてもシンプルで可愛らしいデザインです。
その一方で、襖戸の大胆な色使いには潔い説得力があります。
改めてひとつひとつのものにクロースアップしてみると、やはり時代相応のこだわりがあったのだと感じます。
近年はこれらを真似たレトロ風インテリアをあちらこちらで見かけます。
この馴染みやすいスタイルが、どこか安心感を与えてくれるのはわかります。
ただ、時代が一巡りして、感性も一巡りしただけでは、前進は無いと思います。
よいものは当然残すべきですが、更新すべきものもたくさんあります。
しかしながら、こと建築物においては、逆に残されるべきものが残らないケースがほとんどではないかと感じます。
「老朽化」という一言が、安易な逃げ道として使わることもよくある話です。
懐古主義に興味はありませんが、経済性や利便性、そして商業性が絶対的に優先される現代の判断基準にも強い違和感を覚えます。
文化は積み重ねです。
その積極的な積み重ねが街の顔として現れてくることで、日本の都市はもっと魅力的で成熟したものになるのではと考えます。
2 comments
いわた
2013年07月31日よしさん
半年以上経っての返事です。コメントもらったの全く気付いてなくごめんなさい。
渋谷はこれから15年、20年が勝負のはず。
ちょうど僕らの世代がバリバリ行ける時期。
より素敵な街に生まれ変われるように。
よし
2012年12月09日うまく積み重ねられてるのか考える。
渋谷の まち の未来
身の引き締まる想いで背中しゃきっとした