不変と普遍
短いですが久しぶりの投稿です。
11年前のちょうど今頃、グラスゴー美術大学での課題としてデザインした集合住宅。
建築の勉強を始めて2年目の作品です。
同じ間取りを積み重ねるのではなく、いかにして各住戸に眺めや高さの異なる部屋を持たせるか。
そしてそれをどのようにシステム化できるかを考えていました。
スタジオで遅くまで作業を続けた日々が懐かしいです。
外観意匠は当時流行していたMVRDVなどのオランダ系デザインに明らかに引っ張られていますね。
内部の間取りも無理をしている部分が多いです。
ただ、考案した中心部吹き抜けに動線を集め上下方向に住戸を組み合わせていく手法は、今でも大きな可能性を秘めていると感じます。
デザインは時代の影響を避けることができません。
良い意味においても悪い意味においてもです。
いわゆる名建築と呼ばれる建物は、必ずその時代の断面を切り取っています。
それは過去と未来を繋ぐ接点であり、そこにはいつまでも変わらぬ切れ味が存在します。
それゆえ時の流れとともに成熟する懐の深さを持ち合わせます。
少し逆説的な表現ですが。
丹下健三の代々木第一体育館、Herzog de Meuron の表参道プラダなどはその典型例ではないでしょうか。
不変と普遍。
いつかそのような建築をデザインできればと思っています。