1984
漢字とひらがなのバランスが悪過ぎて、一瞬何語かわからなくなります。
昨日は3年に1度の建築士定期講習でした。
最新の建築基準法や建築士法、その他の関連法令の確認、また設計・工事監理において重要となるポイントや知識のおさらいです。
5時間の講義を通して300ページほどのテキストを一気に駆け抜けます。
そして最後に1時間の修了試験です。
ものすごい量の情報を吸収しなければならない反面、起伏のないモノトーンの時間が流れます。
受験予備校同様にDVD講義なので、先生のテンションは朝から変わりません。
全く。
外も見えない部屋で延々と、同じ先生の、同じトーンの、同じ声を、同じスピードで聞き続けると、なんだか時間が流れている様な、流れていない様な、飛行機に乗っている時の様な妙な感覚に陥ります。
そして、ふと気を抜いて思考を止めると、与えられた情報をただひたすら飲み込んで行くという、ジョージ・オーウェルの1984みたいな世界になっていきます。
というのは大袈裟ですが。
しかしながら、先生の言うことは必ず正しいとして、何の疑問も持たずにそれを受け入れる姿勢が自然とできてしまう環境というのは、なかなかに恐ろしいなと思います。
いろいろな意味で、考えさせられる体験でした。
そしてとても疲れました。
昨日の講習には60名ほどの建築士の方が参加していたようです。
その中で、女性は4,5人。
やはり日本での建築設計というのは圧倒的に男の仕事なんだと感じました。
ただ建築家は、ある側面に特化した能力よりも、幅広い範囲の様々な業務を同時並行で進めていく力をより求められる職業です。
だから女性がもっとどんどん前に出てきてもいいフィールドだと思います。
ステレオタイプ的な話になってしまいますが、女性のほうがマルチタスクに強い人が多いと思うので。
男はテレビを見ながら電話で会話するとかって考えられませんから。
少なくとも僕は。
3年後にまたあの講習かと思うと既に気が重いです。
はい、頑張ります。
さて、昨年より僕はアツシイワタデザインの活動と平行して、根岸俊雄都市建築事務所でも働いています。
そこで担当しているのが「横浜F邸」、木造3階建2世帯住宅の建て替え工事です。
設計、予算管理、お施主さんとのやりとりなど、全ての業務を任されています。
先日、確認済証が交付され、いよいよ解体工事が始まります。
下の写真は既存建物の一室。
長い歴史を感じます。
今回はやむなく解体、建て替えという選択となりましたが、やはり心が痛いです。
こちらについてもまた書きますね。
それでは。