NO-09

外観全景

東京都心の住宅街に立つ2世帯住宅です。敷地面積169㎡、建ぺい率40%、容積率80%という、2世帯住宅としては非常にタイトな面積制約を持ったプロジェクトでしたが、玄関ホールと階段室を組み合わた最小限の廊下動線に加え、地下階の容積率緩和を効果的に利用し、設計条件の厳しさを感じさせない、ゆとりのあるプランを実現しています。

NO邸では3世代間の家族のふれあいを随所に生み出すデザインを目指しました。両世帯の共有空間とした玄関や廊下は、延床面積を抑えるだけでなく、家族間の接点を作り出す場でもあります。屋内にも視線の抜けるガラス窓や建具を適宜取り入れ、実際の姿だけでなく、明かりのON/OFFなどによっても、家族の気配を感させる仕掛けとしました。

シンプルな間取りの中心にあるのは階段室です。この階段室を起点に、親世帯と子世帯、プライベートとパブリックの空間が、立体的に交差し、展開するよう各部屋を配置しました。階段が家族にとっての特別な空間となることで、日々の上り下りは”煩わしさ”から解放され、むしろ、”小さな喜び”へと変化するはずです。一方で、洗面・水回りはそれぞれの世帯専用とし、プライベートの場を確実に確保するようにしました。また、地下階には2部屋の納戸があり、建物内の収納スペースを十分に確保した上で、将来、各部屋の使用用途を入れ替えることも想定した全体計画となっています。

外壁の仕上げには、4種類の人差し指大の陶磁器タイルをランダムに貼り合わせています。このタイルの種類や各タイルの配合比率を決めるために幾度もスタディを繰り返しました。艶のある施釉タイルは、その日の天気や空の色、一日の時間帯や、季節による光の加減を柔らかく映し出し、その表情を刻々と変化させます。遠距離・中距離・近距離と、建物との位置関係によっても、タイルのディテールの見え方が異なるため、フラットな面で構成されたボリュームに対し、豊かな奥行きを感じさせる建物の外観とすることができました。

  • NO-10
  • NO-20
  • NO-13
  • NO-23
  • NO-11
  • NO-22
  • NO-34
  • NO-05
  • NO-25
  • NO-16-2
  • NO-14
  • NO-27
  • NO-17
  • NO-29
  • NO-18
  • NO-15
  • NO-19
  • NO-32
  • NO-33
  •  

所在地 : 東京都

用途 : 2世帯住宅

敷地面積 : 169㎡

建築面積 : 68㎡

延床面積 : 184㎡

構造・規模 : 鉄筋コンクリート造地下1階+木造地上2階建て

期間 : 2014-2016

 

NO-01

NO-Plan

NO-34_W2500

NO-31

スタディ模型

NO邸は根岸俊雄都市建築事務所・シンツチヤアーキテクツとの共同プロジェクトです。