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東京都渋谷区、六本木通り沿いにある、築40年が経過したオフィスビルの約130㎡ワンフロアリノベーション。

大学ラグビー部時代の同期が経営するウェブデザイン・マーケティング会社”Akari, Inc ”のオフィス移転に伴なう改装工事です。2011年にイギリスより日本に戻って最初に手がけた仕事でした。

依頼されたコンセプトは「建築途中の建築」。そこで新築のように全ての面を綺麗に仕上げてしまうのではなく、個々のインテリア要素が持つ時代性や素材感を効果的に演出することで、企業としての今後の伸びしろを表現することを目指しました。同時に、新しいオフィス空間がひとつのプレゼンテーションとなるよう意識しました。

コンクリートの天井は瞬時にこのビルが生き抜いてきた時を感じさせる要素です。この迫力ある面に呼応するかたちで、床にはラワン合板を大判のまま使用しています。ラワン合板はその木肌や杢目の粗さから、床の仕上げ材として用いることは通常ありませんが、ここではあえてその特徴を強調することで、基本となる空間の力強さをセットアップしました。

一方でワークデスクや造作家具はひとつひとつ細部までデザインを進め、シンプルで無駄のない仕上がりとしています。天板や面材に使用したシナ材の品の良さが、天井面や床面の素材感との心地良いコントラストを生み、また、差し色としての黒が要所要所で空間を引き締めています。照明器具は種類や配置高さに変化をもたせることで、適切な照度を確保するとともに空間の立体感を演出しました。

引っ越しをしながらの工事であったため、竣工写真を撮るタイミングが無かったことが今でも少し残念ですが、とても思い出に残るプロジェクトです。

 

Akari Plan w2000

 

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 (December 2011, Completed)